クロシジミ Niphanda fusca
休耕田のススキにとまるクロシジミ♀ 2007年7月16日 滋賀県大津市
クロオオアリに育てられることで有名なクロシジミですが、各地で生息地が消滅して、今や絶滅危惧種T類です。それでも近畿地方では現在も各地に少ないながら産地が残っており、探索は困難を極めますが地域によっては結構生息地が見つかったりします(詳しくはSPINDA20、21号)。しかし、減少しているというのは間違いなく、生息地は田畑の周りであったり、川沿いの荒地であったり、造成地跡であったりと環境が不安定な場所ばかりで、今後も安定して生息していけるかどうかは微妙な状況だと思います。また、♂よりも♀が目立つ種類なので、有名な産地では♀ばかり採集されてしまい、個体数を減らしてしまっていると感じる場所もあります。
地域によっては裏面が白化して、飛ぶとウラギンシジミのように見える個体が見られるところもありますが、図鑑などで見るような表まで白化して青い鱗粉が乗ったような♀には結局まだ出会えていません。
クロシジミなんか、標本にしても色は褪せるし油は出るしでいいことなどありません。写真なら数が少なくても楽しめますし、クロシジミは交尾、産卵など興味深い生態を観察しやすい種類だと思いますので、見つけても採ってしまったりせずにじっくり観察してみませんか。
♂ 2010年7月4日 長野県白馬村
♀ 2010年7月4日 長野県白馬村
渓流沿いのサクラにとまる♂ 2010年8月1日 三重県いなべ市
キリシマミドリシジミを探していると、よくクロシジミに出会う。
♀ 2010年7月26日 三重県菰野町
キリシマミドリシジミを探していたらアカガシの茂みから出てきた。正直、キリシマのほうが良かった。
♀ 2011年7月23日 滋賀県東近江市
比較的表に白斑がよく出た個体だと思う。
♂ 2010年7月25日 滋賀県甲賀市
♂の翅表の色は淡く、直射日光が当たると紫色がほとんど見えなくなる。
産卵場所を探してウツギの周りを飛ぶ♀ 2006年7月7日 滋賀県大津市
クロオオアリとアブラムシを確認してからウツギに産卵する♀ 2006年7月7日 滋賀県大津市
♀ 2007年7月16 日 滋賀県大津市
川沿いの草地で発生する。
アカマツの実の上で交尾(上が♀) 2006年7月7日 滋賀県甲賀市
午後3時20分、♂の活動開始直後に交尾が成立した。
♂ 2007年7月16日 滋賀県甲賀市
この発生地は、ススキとアカマツがまばらに生える造成地跡。ここでは翅裏が白い個体が多い。
テリトリーを張る♂ 2007年7月19日 滋賀県大津市
午後4時頃、活発に活動する。
アカマツにとまる♀ 2007年7月19日 滋賀県甲賀市
この個体は翅の付け根にわずかに青い鱗粉がある。
ヒメジョオンで吸蜜する♂ 2006年7月8日 京都府南山城村
ここでは水田と雑木林の境界にある草地で発生する。
♀ 2005年7月9日 岐阜県恵那市 |
アカマツ幹に静止する♂ 2006年7月7日 滋賀県甲賀市 |
アカマツに産卵する♀ 2006年7月8日 滋賀県甲賀市 |
アカマツ枝の卵 2006年7月8日 滋賀県甲賀市 |
ヤシャブシの枝や実に産まれた卵 2006年7月8日 滋賀県甲賀市 |
ヤシャブシ葉裏の卵と1齢幼虫 2006年7月8日 滋賀県甲賀市 |
♀ 2007年7月16 日 滋賀県大津市 |
♀ 2007年7月19日 滋賀県大津市 |
♀ 2007年7月19日 滋賀県大津市 |
♂ 2007年7月19日 滋賀県大津市 |
タニウツギに産卵する♀ 2005年7月24日 滋賀県大津市 |
コマツナギに産まれた卵 2007年7月1日 滋賀県大津市 |
コナラに産まれた卵 2005年7月19日 滋賀県大津市 |
ススキに産卵する♀ 2005年7月24日 滋賀県大津市 |
ススキの茎にいる1齢幼虫 2005年7月24日 滋賀県大津市 |
♀ 2003年7月2日 京都府精華町 |
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